さすがの猿飛の志田正博さんの作画(推測)
志田正博さんは80年代から現在に至るまで、長年活動を続けているベテランアニメーターです。
(90年代末から近年までは志田ただし名義でクレジットされることが多い)
志田さんの80年代の代表作には『GUーGUガンモ』(1984~1985)があります。
志田さんはスタジオジャイアンツ作画回の作画監督を担当し、かわいらしいキャラクター作画と、コミカルなキャラクターのアクションで、大いに存在感を発揮しました。
サムネイルにある劇場版『GU-GUガンモ』(1985年公開)の予告編は志田さんの作画によるもの。
今回触れる『さすがの猿飛』(1982~1984)は『ガンモ』の直前に志田さんが参加した作品です。
『ガンモ』に見られるようなかわいらしいキャラクター表現や、コミカルなアクションの原型がこの作品ではみられます。
本作は全69話の長期のシリーズで、定期的に志田さんが当時所属していたスタジオジャイアンツの作画回がありました。
ジャイアンツには当時摩砂雪さん(『新世紀エヴァンゲリオン』などで著名)が在籍しており、志田さんの作画と合わせて作画面で本作を大いに盛り上げました。
※下記の担当パートは推測に基づくものです。間違っている可能性もあるのでご了承ください。問題がある場合は訂正します。
■ かわいらしいキャラクター作画とデフォルメ表現
14話「うそォ! 肉丸が雪男!?」、29話「宿命の対決!! 肉丸VSニントン」より(推測)。
大きくてくりっとした目は志田さんのキャラクター作画の大きな特徴。
9話「戦国猿飛秘話」、14話「うそォ! 肉丸が雪男!?」より(推測)。
志田さんと思しき作画はキャラクターの表情が非常に豊か。
口を大きく開けたり、目の形が大きく変わったりという表情の大胆な変化がありながらも、可愛らしく見えるようなバランスでデザインされている部分が、個人的に好きな点。
26話「さらば! さすらいのニントン」より(推測)。
忍豚の群れに巻き込まれてボロボロになった魔子。
こういったギャグが入ったシークエンスでも面白さと可愛らしさを両立させた絵がみられる。
後方の煙エフェクトは当時流行りの金田伊功さん的なラインを取り入れたデザインでケレン味がある。
ここで、同じくジャイアンツ作画回で活躍していた摩砂雪さんのキャラ作画との比較を。
40話「肉丸inスペースウォーズ」より。摩砂雪さんと思しき作画(推測)。
志田さんと比較すると、頭身が高く、目が小さめに描かれているのが分かる。
■コミカルなアクション
29話「宿命の対決!! 肉丸VSニントン」より(推測)。
オバケ(残像)を使ったコミカルなアクションはこの時期の志田さんの大きな特徴。
キャラクターのポーズのシルエットが大胆かつハッキリと明快なラインにまとめられている点もポイント。
こちらも29話「宿命の対決!! 肉丸VSニントン」より(推測)。
一連の動きから抜粋。
こちらもハッキリとしたシルエットのポーズがみられる。
動きの中で、大きくポーズ(シルエット)が変わっていくことによってコミカルな動きが表現されているのが分かる。
これでもかというくらいに開いた大口のデフォルメも面白い。
上記のシーンで、学園長(魔子の父)が読んでいた本。
このキャラクターも恐らく志田さんの作画。
大きく、くりっとした目が特徴的。
手の表情も上手く立体的な特徴を捉えながらスッキリとしたラインにまとめられているのがわかる。
■エフェクト
9話「戦国猿飛秘話」、14話「うそォ! 肉丸が雪男!?」より(推測)。
ビームやショックといったエフェクトでは先に触れた煙エフェクトと同じく、
こちらは煙エフェクト。26話「さらば! さすらいのニントン」より(推測)。
同じくジャイアンツ作画回に参加していた摩砂雪さんの煙エフェクトと比較するとシンプル目なフォルムなのが分かる。
参考に19話「決戦!! スパイナー対忍びの者」 より、摩砂雪さん作画と思しき爆発(推測)。
比較するとディテールの違いが分かりやすい。
■ショックコマ
上からそれぞれ14話「うそォ! 肉丸が雪男!?」、26話「さらば! さすらいのニントン」、14話より(推測)。
このようなショックコマは、爆発やアクションの途中に一瞬だけ表示されることによって画面に強烈なインパクトをもたらします。
志田さんの場合は色の使い方も込みで大胆なパターンがみられる。
■モブキャラクター
26話「さらば! さすらいのニントン」より(推測)。
モブキャラクターにおいても可愛らしいキャラクターを志田さんは描いている。
『GU-GUガンモ』のつくねらしきキャラクターが混じっている。
29話「宿命の対決!! 肉丸VSニントン」より(推測)。
先ほどのキャラクターと比較すると少しリアルタッチなキャラクター。
男性キャラのポーズや顔の角度には湖川友謙さん的な立体感やムードも感じられる。
■ベンチ投げ
29話「宿命の対決!! 肉丸VSニントン」の魔子がベンチを投げるカットは恐らく志田さんの作画(推測)。
この一連のカットには志田さんのダイナミックさが出ていると思う。
下記は一連の動きから抜粋したもの。
『幻魔大戦』(1983年公開)のようなオーラの描写。
グイっと力を入れてバンザイのポーズをとるとエフェクトが炸裂する。
こちらも金田調のパターン。一瞬、背景が赤になって明滅するのがアクセントになっている。
グッとカメラが寄っていく。顔のデフォルメが凄まじい。
そのままベンチのアップになり、回り込んで煙の中から魔子が現れる。
大胆な構成のカメラワーク。背後で炸裂するエフェクトにもケレン味がある。
そのままカメラが顔のドアップまで寄っていく。
アオリの顔や影つけにはやはり湖川さんの影響が感じられる。
大胆なパースの動きで画面全体がベンチに。ここまでの一連を1カットでみせている。
画面全体を覆うベンチからそのまま次カットのベンチが木に激突するカットに繋がっていく迫力のある構成。
『猿飛』のジャイアンツ回は各回とも摩砂雪さん、志田さんの作画ががっつりまとまった形で見られるのでおススメ。ただ、クレジットされている回の中にはクレジット間違いと思しき回や総集編もあるのでそこは注意。
上記の回以外だと特に64話「大奥いじめていじめて物語」に志田さんっぽい絵がいっぱいあったと記憶している。
あと、当時の土田プロ作品は作画の枚数制限が緩いので、東映動画作品で明確な枚数制限があった『ガンモ』とは作画面のアプローチにも違った部分が見られると思う。
『猿飛』はジャイアンツ回以外にも、アニメアール、あにまる屋、じゃんぐるじむ、カナメプロなどの担当回に作画的なみどころがある回が多いので、そちらも必見。
いずれは『ガンモ』の志田さんでも記事が描ければいいかなと思ってます。
WEBアニメスタイル_アニメの作画を語ろう_animator interview_井上俊之
上記の記事では同じく『ガンモ』で大活躍した井上俊之さんが志田さんについて語っているので、興味があれば本編と合わせて見ていただければ。
うる星やつらの遊佐和重さんの作画
『うる星やつら』の遊佐和重さんの作画に関して簡単に解説。
遊佐さんの略歴に関しては下記のサイトのインタビューが詳しいので是非読んでみてください。
練馬アニメーション 私の「履歴書」
第3回:遊佐かずしげ氏(メビウス・トーン)のアニメ「履歴書」《その1》
『うる星』における遊佐さんのお仕事の大きな特徴にしなやかで柔らかさを感じさせるポーズのセンスがあります。
23回45話「春らんまんピクニック騒動(前編)」より(推測)。
一連の動きの中から抜粋。
体全体から動きの流れを感じさせるようなしなやかなポーズ。
手の先の表情のつけ方も絶妙。シルエットも特徴的。
実際に動いている絵をみてもらえば、こういった個々のポーズや
その繋がり方が、動き全体を豊かなものにしているのが分かるかと思うので、
興味がある方はぜひ見てもらえれば。
39回62話「どきどきサマーデート」より(推測)。
一連の動きの中から抜粋。
先ほどの動きの連続性を感じさせる作画とは打って変ったリミテッド調の作画も
遊佐さんの持ち味の一つ。
分かりやすくはっきりとしたシルエットのポーズをほぼ原画だけ(一部は動画も入る)で繋いでいくような動きで、メリハリが効いている。
所謂Aプロ調の『ど根性ガエル』的な動きと近い部分もあるかも。
39回62話「どきどきサマーデート」より。
「どきどきサマーデート」のローラースケートのシーンには、遊佐さんの作画の魅力が存分に発揮されている。
足のパース感。
デフォルメが気持ちいい。
動きの中から抜粋。
足元にグッと寄っていくカメラワークがダイナミック。
腕を使ってバランスを取りながら進んでいくラム。
画像は一連の動きの中から抜粋したもの。
腕の挙動の細かさに注目。
前述のポーズのしなやかさも顕著にみられるカット。
11回21話 「あたる源氏平安京にゆく(前編)」より(推測)。
特徴的な歯口の描き方。角ばった感じのデフォルメもみられる。
25回48話「 翔べよイモちゃん!」より(推測)。
ラムの手の表情に注目。
遊佐さんの作画には手の表情付けにこだわりが感じられるカットが多い。
ラムの体系が細めなのも遊佐作画の特徴。
『うる星』の原画での遊佐さん参加回は以下のとおり。
■うる星やつら(1981~1986) 原画 5回(恐らく9話) 11回(恐らく21話) 13回(恐らく26話) 17回(恐らく34話) 23回(恐らく45話。半パート一人原画?) 25回48話 33回56話 39回62話 43回66話 49回72話 55回78話 93回116話(総集編)
2話まとめて放送の時期の参加回は推測。
ただし、基本的に遊佐さんは当時フリーとしてスタジオユニコーン回に参加している(同人誌『究極のラム2』での西島克彦さんの発言より推測)
ので、参加回は上記の通りスタジオユニコーンの作画回(野部駿夫さんの作監回)になるはず。
確かユニコーンの回の動画チェックとして森中正春さんと一緒に遊佐さんがクレジットされていたこともあったはず。
そら君アニメ夜話2
— 遊佐かずしげ (@sorakurayusa) 2016年12月18日
その後フリーになり「うる星やつら」と出会い、あたるのボクシング、面倒のテニス、「ドキドキサマーデート」のラムのローラースケートなどを任されました。「信長の忍び2」新OPでは大島りえの絵コンテがキレキレでアクション監修として大いに殺陣を楽しみました。お楽しみに。
ご本人のTwitterには一部の担当パートの記載がある。
各回とも、まとまった量の作画を担当されているように思える。
93回116話は総集編なので最後の参加回は 55回78話。
恐らくアニメ版の『みゆき』のキャラクターデザイン、作画監督を担当する為の降板と思われる。
『みゆき』のOPは遊佐さんの作画だと思われるが、
先述の流れを意識した柔らかなポーズの動きがみられる。
シルエットのみでキャラクターの主な動きが表現されている点もこのOPのポイント。
同じくスタジオぴえろ制作期の『うる星やつら』に参加していた山下将仁さんや西島克彦さんのような暴走系の作画ではないものの、作画表現の豊かさが感じられるのが遊佐さんの作画かなと自分は思っています。バンダイチャンネルで一部のエピソードは無料で見られるので是非是非他の回と合わせて見ていただければ。
無料ラインナップの中だと越智さん山下さんコンビの14回27話「面堂はトラブルとともに!」や、毛利和昭さん参加(アニメRでクレジット)の9回18話 「アスレチック女地獄!」が派手目の作画。
『ビックリマン』ムッシュオニオン回の金田系作画
ムッシュオニオンはかつて存在したアニメスタジオで、
東映動画(現:東映アニメーション)作品を中心に活動していました。(現在は「株式会社すたじおかぐら」がその業務を引き継いでいます)
数々の優秀なアニメーターを輩出したことで知られ、
特に『北斗の拳』シリーズや『魁!!男塾』、『ひみつのアッコちゃん(第2作)』における
羽山淳一さんの活躍には目覚ましいものがありました。
今回はアニメ版『ビックリマン』(1987~89)ムッシュオニオン回でみられた金田伊功さん調の作画について説明します。
ムッシュオニオンの中で『ビックリマン』を担当していた班は同時期に制作されていた
『北斗の拳2』(1987~89)やその後番組の『魁!!男塾』(1988)を担当していた羽山淳一さんを中心とした班とは別班になります(後述の加藤さんは『アッコちゃん(第2作)』(1988~89)では羽山さんの班に参加)。
『ビックリマン』班では三谷節子さんが作画監督を務めており、かわいらしい絵柄が特徴的でした。
表題にあるような金田調の作画が『ビックリマン』のオニオン回でみられるようになったのは、第31話『魯神フッドの恋?』(1988年5月15日放送)辺りからです。
丁度、この辺りの時期から加藤浩利さんがEDにクレジットされるようになるので、下記のお仕事は加藤さんの作画かなと推測しています。
(それ以前のオニオン回にも力の入ったアクション作画がみられるが、こちらは恐らく伊津井厳さんの作画かな?)
『ビックリマン』の加藤浩利さんの作画(推測)
・キャラクター作画
49話『孤独の美形天使』(推測、上2枚)、70話『迷宮を駆ける龍』より(推測)。
ムッシュオニオンには格好いい手を描くアニメーターさんが多く在籍していた。
中でも加藤さん作画と思しき手は少し角ばった形の取り方。
シャープなフォルムで表情も豊か。
63話『ヤマト爆神!誕生』より(推測)。
疲弊し、屈んだ姿勢をとるヘッドロココ。
ポーズのセンスもケレン味が強い。
盾が消える際、一瞬入るエフェクトのフォルムが金田調なのもポイント。
63話(推測)、70話より(推測)。
奥歯の立体感と描き込みは加藤さんと思しき作画に顕著な特徴。
・アクション
49話より(推測)。一角キングが怪虎師の攻撃を交わす一連から抜粋。
オバケ(残像)やタッチ、効果線、金田調のエフェクトを駆使したダイナミックな戦闘描写も、加藤さんと思しき作画ではよくみられる。
同じく49話より(推測)。怪虎師が鞭を振るうカットより抜粋。
1カット内でキャラクターの大きさが大幅に変化する躍動感のある動きに加え、
金田調のエフェクトを挟んで怪虎師の顔がドアップで現れる構成は非常に大胆!
70話より(推測)。
アローエンジェルが十字架に飛び移る動きの中から5枚抜粋。
高跳びのようなダイナミックなアクション。
画像5枚目、キャラがアップになった際の、手などにみられるシャープなディテールにも注目。
・ディテール
49話より。(推測)
一角キングの兜の影が所謂ワカメ影(太い影の隣に細い影をそれに沿わせるような形で配置したパターン)になっているのが分かる。映り込みなど金属表面の質感を表現するために用いられることが多い。
63話より(推測)。
ストーリーの山場でもあるヤマト爆神への変身シーンは恐らく加藤さんの担当。
ワカメ影や、ハイライトの細密さも加藤さんと思しき作画の特徴。
爆神の背後のエフェクトも金田調。
・エフェクト
高密度のエフェクト描写は加藤さんと思しき作画に顕著な特徴。
基本的な傾向としては金田調のエフェクト、鋭利な形状の破片、丸爆発がみられる。
70話より(推測)。
骸骨にエフェクトが変形するカットより抜粋。
切れ込みや、カールしたような形のディテールは山下将仁さん(金田さんの弟子)、
もっと言えば、山下さん的なディテールを取り込みつつも山下さんとは
別の方向で金田調のエフェクトを緻密化させていった田村英樹さんに近いパターンに思える。
飛び地のように配置された三角の飛沫状のエフェクトや、進行方向に沿って伸びる形の直線的なデザインや切れ込みなど、よりグラフィックな形状をとったパターンも特徴。
37話『はるかな次界へ』より(推測)。
飛石を溶岩で冷やす一連から抜粋。カールした形の影が特徴。
この爆発では薄いオレンジの部分と濃いオレンジの部分で煙を構成する一つ一つの小さな煙の立体が表現され、
BL影(黒い部分)によって煙同士が繋がった隙間部分を描写するという形が基本的に取られている。
49話より(推測)。
崩壊する一角キングの城と、崩れた城から一角キングの兜が現れる場面。
加藤さんの作画と思しき破片は、先の尖った鋭利なフォルムが特徴的。破片の数の多さや密度も凄い。
2枚目の画像の煙の影は先ほどと同じくカールした形状で、アウトラインの形に合わせてハイライトが入り、立体感を表している。
70話より(推測)。
煙を構成する一つ一つの球のアウトラインを繋げるような形で薄い赤色部分(ノーマル色)が配置されている。
70話より(推測)。
迷宮が崩壊するシーンより抜粋。
金田調のパターンと丸爆発が複合された表現。
カールするような影の食い込みや、鋭利な破片は先述の画像での特徴と共通する。
42話『全員集合!七助』より(推測)。
エフェクトで表現された鳳凰。
エフェクトが生き物の形をとるパターンは『幻魔大戦』で金田伊功さんが担当した火炎龍が有名。
ビックリマンのムッシュオニオン回でもこのようなパターンが複数回登場する。
70話より(推測)。
70話最大の見せ場がこの光の龍の出現シーン。
まずは金田調のエフェクトが炸裂しているこの部分から抜粋。
前述の田村さん的なディテールも取り込みつつ、定規で描いたような形状のよりグラフィックなパターンで光の龍の出現が描写されている。
同じく70話より(推測)。光の龍が地面を突き破って現れるカットから抜粋。
光の龍のスケール感と、鋭利なフォルムの破片の緻密な描写が素晴らしい。
70話より(推測)。
煙を突き抜けて姿を現す龍。煙が後退すると龍の手に乗った天使たちが見えるというカットから抜粋。
煙、龍のスケール感は勿論、細かい丸に分かれて消えていく煙のフォルムが格好いい!!
(この場面に関しては若干上妻晋作さん的な煙エフェクトとも近いところがあるかも)
・他作品と共通する特徴
先述の特徴は近い時期に加藤さんが参加した他の作品でもみられる。
『ついでにとんちんかん』の39話(1988年8月27日放送、スタジオムサシ回)より(推測)。
ワカメってるハイライトがイカしたパトカー。
『とんちんかん』39話より(推測)。決めポーズのカットから抜粋。
キャラクターの手に対するこだわりもビックリマンと共通する特徴。
ポーズの取り方も鋭角的でシャープな路線。着地時に入る効果線もポイント。
『とんちんかん』39話より(推測)。笑いダケの粉末を撒くカットから抜粋。
加藤さんと思しき奥歯の描き方。影面がカールした丸煙や小さい球状の煙もビックリマンと共通。
1カットでキャラクターに寄ったり、引いたりするカメラワークもダイナミック。
『とんちんかん』39話より(推測)。
キノコの粉末の煙。こちらもカールした影。
こちらは『魔法少女サリー(第2作)』の9話(1989年12月4日放送、ムッシュオニオン回)より(推測)。
手や爆発の描き方に共通した特徴が見られる。
『ジャンケンマン』9話(1991年5月30日放送?、スタジオ九魔回)より(推測)。
ジャンケンマンの手はビックリマンと共通する格好良い形の取り方。
ジャンケンマンのアイテムにもワカメ状のハイライトがついている。画像3枚目の落とし穴の内部の影つけもシャープ。
ジャンケンバリアではじき返される丸太の動きもタッチが入ってダイナミック。
これらの特徴を踏まえた上で『勇者エクスカイザー』(1990~1991)の高谷浩利さんのメカ作監回を見てもらえば、
ビックリマンの加藤さんと似た特徴があるのが分かると思う。
上は、唯一高谷さんが原画でもクレジットされていた(※1)『エクスカイザー』の21話『燃える映画村』(1990年6月30日放送、スタジオ九魔回)より、ゴッドマックスの必殺技ゴッドバードアタックのシーンより抜粋(推測)。
シャープなラインの金田エフェクトの描写や、エフェクトの鳥のディテールはかなりビックリマンの加藤さんっぽい。カールした部分や切れ込みの入り方、細長く緩くカーブした三角のようなディテールは特によく似ている。
※1.クレジットされてないだけで他の回も原画自体は担当されてる気がする。
とりあえず、調べられた範囲での加藤浩利さんの参加作品リストが下のもの。
■ゲゲゲの鬼太郎[第3作](1985~1988) 動画 9話
■忍者戦士飛影(1985~1986) 動画 22話
■銀牙 -流れ星 銀-(1986) 動画 2話
■ウインダリア(劇場/1986) アニメーター
■マシンロボ クロノスの大逆襲(1986~1987) 原画 32話
■ビックリマン(1987~1989) 原画 31話 37話 42話 49話 56話 63話 70話
■ついでにとんちんかん(1987~1988) 原画 39話
■ひみつのアッコちゃん[第2作](1988~1989) 原画 2話 21話 28話 35話 41話 48話
■名門!第三野球部(1988~1989) 原画 3話
■魔法使いサリー(第2作)(1989~1990) 原画 9話 11話
■ANGEL(OVA/1990) 原画
■ジャンケンマン(1991~1992) 原画 9話
所属スタジオの流れとしては、みゆきプロ→ムッシュオニオン→スタジオ九魔だと思われる。
みゆきプロ時代の作品に関してはクレジットに名前が出ていないと思われるものも多い。(名前出てないけど『ハイスクール!奇面組』の79話にはそれっぽい作画がある)
謎の多い『勇者エクスカイザー』以前の高谷浩利さんの作画を紐解くカギにもなるとも思うので、
興味がある方は加藤さんの参加作品をチェックしてみて下さい。
Zガンダムの越智博之さんの作画(推測)
越智博之さんはアニメ演出家、アニメーターとして現在も活動されているベテランです。
AIC所属時代にはOVA作品の作画監督や『アミテージ・ザ・サード』『太陽の船ソルビアンカ』の監督としても活躍されました。
越智さんが若手時代に参加した作品に『機動戦士Zガンダム』があります。
当時越智さんは北爪宏幸さん(『Zガンダム』メインの作画監督)主宰の「有限会社スタジオぱっく」所属で原画マンを始めて間もない時期でした。
しかしながら、越智さんが作画を担当したと思しきメカの作画には同時代のメカ作画と比較してもあまりみられない特徴が多く、先進的と思える要素もあります。
当時の越智さんの作画に関する情報としては、当時同僚だった仲盛文さんのTwitterより、
MSマラサイの降下シーンを本猪木浩明さんと共同で担当されたこと、
ご本人のTwitterより『機動戦士ガンダムZZ』のZZガンダムの合体シーンを担当されたことがそれぞれ判明しています。
下記は上の情報をもとに越智さんの参加回をチェックしていったところ、
恐らく当時の越智さんのスタイルはこうだったのではないかという仮説です。
上の情報以外はソースが無い推測になるので、参考程度に考えてください。
・立体感
19話『シンデレラ・フォウ』の終盤より(推測)。
『Zガンダム』のメカ作画には、ケレン味を強調したものや、パネルラインなどのディテールを描き込んでいくものもあれば、
単に絵崩れを起こしているものもあるといった具合に、良くも悪くも多様な方向性がみられた。
越智さんはこの中でも特に、立体的で端正なメカ作画を得意とされていたように感じる。
11話『大気圏突入』より、仲さんのツイートを元に推測した箇所。
面を意識した立体的な描かれ方(少し箱っぽい形の取り方)のリックディアス(左)。
後述する、ポイントを絞って配置された細かなディテールやBL影、棒状のハイライトといった特徴もみられる。
同じく11話『大気圏突入』より(推測)。前述の画像と同じカットの百式。
ビームライフルの描き方に注目。
銃口に対して正面側、しかも斜め向きに描かれていることがわかる。
このような角度では3次元的な奥行を圧縮してとらえて、2次元の絵に起こす必要があるため、
画像のように違和感なくかつ立体的に描くためには技術力が求められる。
また百式(画面中央)にも前述のリックディアスと同じように棒状のハイライトが描かれていることが分かる。
・細身のプロポーション、ポーズ
26話『ジオンの亡霊』の終盤より(推測)。
越智さん作画と思しきメカは比較的細身のプロポーションで描かれていることが多い。
腕のポーズにも特徴が見られ、2枚目の右上のZガンダムのように腕を内側に捻り込むように曲げて、手首にも角度をつけるといったパターンが散見する。
46話『シロッコ立つ』より(推測)。
こちらのハイザックの腕やライフルの角度にも上と同じような特徴がみられる。
・BL影
11話『大気圏突入』(推測)、23話『ムーン・アタック』より(推測)。
BL影(黒い影)の描写も越智さんと思しき作画では特徴的。
面や隙間になる部分を意識してBL影がつけられているのが分かる。
『Zガンダム』では佐野浩敏さんや松尾慎さんもBL影を駆使したメカ作画で気を吐いていた。
佐野さんも隙間部分にBL影を置くという手法を用いているが、
違いとしては越智さんが立体表現を重視している感じで、
佐野さんはどちらかといえば質感や絵としての見栄えを意識した路線という風に自分は思っている。
46話『シロッコ立つ』より(推測)。
ジ・Oの口の周辺や、襟?、胸部の下側にBL影が配置されることによって、立体感が強調されている。BL影に限らず、越智さんと思しき作画は立体を意識した影や直線的なパターンの影が多くみられるような気がする。
26話『ジオンの亡霊』より(推測)。
メカのエッジにあたる面にBL影を置く手法も越智さんと思しき作画にはみられる。
『ガンダムZZ』、ZZガンダムの合体。越智さんの作画と判明しているカット。
こちらでもエッジや隙間部分にBL影が配置されていることが分かる。
・ディテール表現としてのBL影
11話『大気圏突入』(推測)、19話『シンデレラ・フォウ』(推測)、ZZガンダムの合体より。
MSのカメラアイやスコープのディテールの表現としてもピンポイントでBL影が用いられている。
メカのディテールに関してもそうだが、いたずらに情報量を増やすのではなく、
ピンポイントで情報量を集中させる手法がとられているのが先駆的。
これとは対照的に『Zガンダム』ではメカ作監の内田順久さんが止めのカットや版権イラストで、
パネルラインのディテールを細かく描写する手法をとっていたが、こちらはこちらで格好良かった。
・棒状のハイライト
11話『大気圏突入』より(推測)。
ハイライトを棒や線状に描くのは越智さんと思しき作画(特に初期)に散見する特徴。
こちらも過剰になりすぎずポイントを絞って描かれているのが分かる。
棒状ハイライトは、時期的にはZガンダムより後の86年頃から、
磯光雄さんや大城勉さん安藤義信さんといったネオメディア、スタジオ絵夢系のアニメーターさんがよく用いた表現でもある。
30話『ジェリド特攻』より(推測)。人物に棒状ハイライトが用いられた例。
照り返しの表現としてピンポイントで棒状ハイライトが使用されている。シャープな印象。
50話(最終話)『宇宙を駆ける』より(推測)。金色のMS百式のハイライト表現もアニメーターさんによって千差万別。
最終話の越智さんと思しき箇所では、やはり直線状のパターンが多くみられる。
今回はいつも以上に推測多めなので情報として不正確な部分があるかも。
とりあえず現段階での仮説なので、問題あれば訂正します。
『ZZ』の越智さん参加回も意識して見ていたわけではないので改めてチェックせねば。
スタジオギグの作画(推測)
スタジオギグは、湖川友謙さん主宰の作画スタジオ『ビーボォー』から独立した
筱雅律さん、南伸一郎さん、山根理宏さんによって結成された作画スタジオで、80年代後半~90年代前半に目立った活動がみられました。
(『らんま1/2 熱闘編』などのクレジットを見るに向山祐治さん、佐藤哲也さんもメンバーだったと思われる)
筱さん、南さん、山根さんはビーボォー在籍時から金田伊功さんやその弟子の山下将仁さんのような作画を志向していた、ビーボォーの中では変わり種のメンバーでした。
(ビーボォーがメインで制作に関わったOVA『COOL COOL BYE』のおまけ映像『1985 BEBOW』収録のペーパーアニメにも金田調の作品がいくつかある。
金田調とは違ったスタイルなので話は逸れるけど、山下明彦さんや中村悟さんのペーパーアニメが格好良かった。)
『うる星やつら』のビーボォー作画回にも言えることですが、
スタジオギグの参加作品にはビーボォー(湖川)調と金田山下調が複合されたようなスタイルの作画がよくみられます。
■例
『ハイスクール奇面組』81話「オバケでびっくり!どろぼーもドッキリ!」より。筱さん作画?。
密度の濃い影の描写はインパクト抜群。エフェクトの描写もキレキレ。
主観の背景動画もあってかなり作画的に面白い回。
この回はいずれ単体で特集したいところ。
『ハイスクールミステリー学園七不思議』8話「10番の靴箱」より
少女の幽霊。湖川さんからの影響が感じられる顔のバランスのキャラクター。
『鎧伝サムライトルーパー』36話「決戦!カユラ対輝煌帝」38話「カユラ!聖なる目覚め」より
36話Aパートや、38話Bパートの復活した朱天と迦遊羅の戦闘シーンでは
顔や鼻の側面に湖川さん的に立体をとらえた影つけがみられる。
『鎧伝サムライトルーパー』38話「カユラ!聖なる目覚め」のBパートより
朱天が迦遊羅の攻撃を受けながらも捨て身の反撃に転じるシーン。
透過光のエフェクトが炸裂している。こちらもフォルムは金田調が入っている。
山根さんの作画かな?とも思うんだけど根拠は薄い。この辺りはもっと当時の作品を見ていけば分かってくるかも。
『らんま1/2 熱闘編』107話「らくがきパンダの呪い」より
山下将仁さん的なラインも少し入ったエフェクト。筱さん作画?。
同じく『らんま1/2 熱闘編』107話「らくがきパンダの呪い」より
『勇者シリーズ』のロボのようなメリハリの利いたプロポーションとBL影(黒い影)の早雲と、巨大八宝斎の火炎。山根さん作画?
エフェクトも『ゲッターロボ號』や『ファイバード』の山根さんの作画に近い。
『らんま1/2 熱闘編』134話「黄金の茶器、五重塔の決戦」より
オバケの使い方、レイアウト、エフェクトにも派手さがある。
『剣勇伝説YAIBA』28話「剛球勝負!弁慶を打ちとれ」より
※ディレイが酷いキャプチャで申し訳ありません。
巨大カッパとの戦い。勢いのあるフォルムのエフェクト。筱さん作画?。
火炎のディテールのオレンジ色の部分の食い込み方や消え方は山下さんっぽいかも。
■闘将!!拉麺男
最後に『闘将!!拉麺男』のスタジオギグ回のキャプチャが見つかったので簡単に解説。
スタジオギグは上村栄司さんの作監回(スタジオG7の担当回?)に参加。
ガッツリ派手なシーンが多いわけではないんだけど、ところどころに印象的な作画が散見する。
12話「子供村の大決戦の巻」より。手から火炎放射(!?)する力士。筱さん作画?。
火炎エフェクトは山下将仁さんに近いパターンで、
赤色の部分がカールするような形でオレンジ色部分に食い込んだフォルム。
定規で線を引いたようなグラフィックな形状も金田調の作画によくみられるパターン。
12話「子供村の大決戦の巻」と30話「さらば七百年の愛の巻」より
80年代の作品ではモブキャラクターでのお遊びもよく見られる。
『戦闘メカ ザブングル』の主人公ジロンや『聖戦士ダンバイン』のショウといった湖川さんが関わった作品のキャラクターに似たキャラや、
『キン肉マン』のアデランスの中野さん、南伸一郎さんの似顔絵、『ドラゴンボール』のクリリンが紛れ込んでいる。
その他のモブキャラクター作画に関してもやはり湖川さんの作画の影響を感じさせるものが多い。
24話「拉麵男の正体は!?の巻」より
伝説の拳士のイメージカット。
顔側面の立体的な影やアオリ(下から見たアングル)はまさにビーボォー的。
18話「毒サソリを倒せ!!の巻」より
破壊される門。
リアリティが感じられる影つけの煙作画と鋭角的なフォルムの破片。
30話「さらば七百年の愛の巻」より
エフェクト化した鶴が印象的な必殺技のカット。
こちらのエフェクトも金田調のグラフィックなフォルム。
『奇面組』や『らんま熱闘編』のギグ回は面白い作画が多いので『うる星』のビーボォー回込みでいずれ取り上げたいところ。
UFOロボグレンダイザーの友永和秀さんの作画(推測)
キャプチャが見つかったので『UFOロボグレンダイザー』の友永和秀さんの作画に関して簡単に説明。
友永さんはテレコムアニメーションフィルム加入以後の大塚さんや宮崎さんの流れで語られることも多い方ですが、
70年代は友人でありライバル的な関係でもあった金田伊功さんとも近いダイナミックなスタイルが印象的です。
下記の担当パートと思しき箇所は推測なので参考程度に考えてください。
■キャラクターのポーズとレイアウト
こちらは18話『発進!! 秘密ルート7』より。
操られたダンプカーが兜甲児を襲撃するシーン。
甲児のポーズが四肢をピンと伸ばした非常にダイナミックなものになっているのが分かる。
大胆にパースがついた迫力のあるダンプカーの描写にも注目。
この辺りは金田さんとも似ている点。
ダンプカーの窓の形が微妙に湾曲しているのもポイントで、
『ルパン三世』第二期などでもみられる友永さん独特の実在感があるようなパース感覚がみられる。
窓ガラスのハイライトは『宇宙戦艦ヤマト』『ルパン三世』第二期などの友永さんパートでもみられる特徴。
■エフェクトと効果線
火炎エフェクトのフォルムはこの時期の友永さんの大きな特徴。
上は同じく18話『発進!! 秘密ルート7』より。
こちらは32話『母に向かって撃て!』より。
うねるようなフォルムのノーマル色と影面のバランスや飛沫状の火の粉の描き方に特徴がみられる。
次は爆発エフェクト
こちらも32話『母に向かって撃て!』より。
下部の高温部分と煙になった部分を分けて描いてある点がポイント。
後の所謂テレコム爆発的なフォルムが完成するのは、これよりも後の時期になる。
ただ、楕円がつながったような影面の配置はテレコム期にもみられるので原型自体はこの時期、
もっと言えば『宇宙戦艦ヤマト』のタイガープロ回の時点である程度出来ていたのかも。
参考:テレコムに入ってから友永さんが参加した『名探偵ホームズ』での煙作画
こちらは37話『翼に命をかけろ!』より。
ミサイル発射台のパースの取り方がダイナミック。
やはりこの辺りは金田さんと近い部分がある。
遠近感を強調したレイアウトと、糸を引くように煙を出すミサイル。
友永さんがミサイルの描写を得意とされていたのは『未来少年コナン』や、
『ルパン三世』第二期145話『死の翼アルバトロス』でも知られるところ。
ミサイルが画面にINする際に大胆に効果線が入るところにこの時期の友永作画のケレン味がある。
この時期は煙が細かな丸に分かれて消えていくパターンもよく見られる。
爆発の高温部分と煙の層が分かれている部分にもリアリズムがある。
https://www.youtube.com/watch?v=dwOtyxJVVdk
『グレンダイザー』の1話は東映アニメーションミュージアム公式YouTubeチャンネルで公開中。
この回はAパートが友永さんだと思うんだけど、Aプロ的でコミカルな団兵衛さんの動きが楽しくておすすめ。
暴れ馬のシーンの作画も非常に迫力があります。
このシーンで手の平を地面に向けて構えるような大介さんのポーズが出てくるんだけど、このパターンは当時の友永さんによくみられるパターンだと思う。
https://www.youtube.com/watch?v=G7ijjgMxJV4
同じく友永さん参加の『マグネロボ ガ・キーン』の1話も東映アニメーションミュージアム公式YouTubeチャンネルで公開中。
Aパート後半の猛がぶん殴られる辺りの動きはモロに友永さんっぽい。
効果線の入った迫力ある動きに、よろけて猛が倒れる辺りのポーズも実に友永さん的。
B頭の敵との戦いも友永さん作画だと思うんだけど、キャラクターのコミカルなリアクションや、レイアウト、カメラワークのセンスが光るカットが盛りだくさん。
前述の爆発や、火炎エフェクトも多め。
忍者ハットリくんの土器手司さんの作画(推測)
『忍者ハットリくん』の土器手司さん参加と思しき回のキャプチャが見つかったので簡単に特集。
土器手さんがキャリアの初期に『忍者ハットリくん』に参加していたことは、
1986年頃にアニメージュに連載されていた特集記事『土器手司倶楽部』等に記載があるが、どの回に参加したのかまではハッキリとしていない。
現状、配信などではスタッフクレジットが確認出来ないので、
忍者も参ったアニメでござる | アニメデータ | 第201話~第300話
『ハットリ堂』さんのサブタイトルリストから、
当時土器手さんが所属していたスタジオルックの担当回(畑良子さん津野二朗さんの参加回)をチェックしていった結果見つかったのがこの回。
299話『カッカッカ・カカ忍法の巻』
クレジットを確認したわけではないので、あくまで参考程度に見てもらえると幸いです。
■キャラクター作画
この回はシンちゃんの黒目が大きくてかわいいのが特徴。
ケン一の顔のデフォルメはうる星の土器手さんとも通じる部分があるような。
リアクションもかわいらしい。
この回はケムマキ操る蚊の群れが手や注射器、戦闘機など様々な形に変形して
シンちゃんや獅子丸と戦うところがみどころ。
■エフェクト
この回で興味深いのはエフェクト描写。
殺虫剤の煙や炎はシンプルな形状ながら面白いフォルム。
丸みを帯びた半月型のパターンが重なったような形がよく見られる。
この回は爆発、煙エフェクトもみどころの一つ。
シンプルなフォルムながら炎と煙の2層に分かれた構造になっているのが興味深いところ。
影面の入り方にもリアリズムがあるような。
色は違うけど微妙にテレコム系の煙とも近いところがあるかも。
この回は兼用含めて他のシーンでも煙、爆発エフェクトがみられる。
原画もこの回は、土器手さんが1本分丸々担当なのではと自分は予想している。
時期的にこの直後と思しき、『ななこSOS』の土器手さん担当と思しきパートに、
この回のシンちゃんみたいなシンプルでかわいらしいキャラクター(デフォルメの様式も似てるような)や、
高密度の爆発エフェクトが出てくるので、そこから逆算してこの回は土器手さんの担当かなと思った次第。
キャラクター作画だけでなく、エフェクトアニメーターとしても土器手さんは秀でた力持った方だと自分は思うのでそのあたりもブログで解説できれば面白いかも。
このエピソードはGYAOでレンタル視聴可能なので興味ある方は↓へどうぞ。
次回は、Aプロ特集をやりたい所だけどキャプチャがあるものでまた別の記事を作ることもあるかもといった感じです。それでは。