UFOロボグレンダイザーの友永和秀さんの作画(推測)
キャプチャが見つかったので『UFOロボグレンダイザー』の友永和秀さんの作画に関して簡単に説明。
友永さんはテレコムアニメーションフィルム加入以後の大塚さんや宮崎さんの流れで語られることも多い方ですが、
70年代は友人でありライバル的な関係でもあった金田伊功さんとも近いダイナミックなスタイルが印象的です。
下記の担当パートと思しき箇所は推測なので参考程度に考えてください。
■キャラクターのポーズとレイアウト
こちらは18話『発進!! 秘密ルート7』より。
操られたダンプカーが兜甲児を襲撃するシーン。
甲児のポーズが四肢をピンと伸ばした非常にダイナミックなものになっているのが分かる。
大胆にパースがついた迫力のあるダンプカーの描写にも注目。
この辺りは金田さんとも似ている点。
ダンプカーの窓の形が微妙に湾曲しているのもポイントで、
『ルパン三世』第二期などでもみられる友永さん独特の実在感があるようなパース感覚がみられる。
窓ガラスのハイライトは『宇宙戦艦ヤマト』『ルパン三世』第二期などの友永さんパートでもみられる特徴。
■エフェクトと効果線
火炎エフェクトのフォルムはこの時期の友永さんの大きな特徴。
上は同じく18話『発進!! 秘密ルート7』より。
こちらは32話『母に向かって撃て!』より。
うねるようなフォルムのノーマル色と影面のバランスや飛沫状の火の粉の描き方に特徴がみられる。
次は爆発エフェクト
こちらも32話『母に向かって撃て!』より。
下部の高温部分と煙になった部分を分けて描いてある点がポイント。
後の所謂テレコム爆発的なフォルムが完成するのは、これよりも後の時期になる。
ただ、楕円がつながったような影面の配置はテレコム期にもみられるので原型自体はこの時期、
もっと言えば『宇宙戦艦ヤマト』のタイガープロ回の時点である程度出来ていたのかも。
参考:テレコムに入ってから友永さんが参加した『名探偵ホームズ』での煙作画
こちらは37話『翼に命をかけろ!』より。
ミサイル発射台のパースの取り方がダイナミック。
やはりこの辺りは金田さんと近い部分がある。
遠近感を強調したレイアウトと、糸を引くように煙を出すミサイル。
友永さんがミサイルの描写を得意とされていたのは『未来少年コナン』や、
『ルパン三世』第二期145話『死の翼アルバトロス』でも知られるところ。
ミサイルが画面にINする際に大胆に効果線が入るところにこの時期の友永作画のケレン味がある。
この時期は煙が細かな丸に分かれて消えていくパターンもよく見られる。
爆発の高温部分と煙の層が分かれている部分にもリアリズムがある。
https://www.youtube.com/watch?v=dwOtyxJVVdk
『グレンダイザー』の1話は東映アニメーションミュージアム公式YouTubeチャンネルで公開中。
この回はAパートが友永さんだと思うんだけど、Aプロ的でコミカルな団兵衛さんの動きが楽しくておすすめ。
暴れ馬のシーンの作画も非常に迫力があります。
このシーンで手の平を地面に向けて構えるような大介さんのポーズが出てくるんだけど、このパターンは当時の友永さんによくみられるパターンだと思う。
https://www.youtube.com/watch?v=G7ijjgMxJV4
同じく友永さん参加の『マグネロボ ガ・キーン』の1話も東映アニメーションミュージアム公式YouTubeチャンネルで公開中。
Aパート後半の猛がぶん殴られる辺りの動きはモロに友永さんっぽい。
効果線の入った迫力ある動きに、よろけて猛が倒れる辺りのポーズも実に友永さん的。
B頭の敵との戦いも友永さん作画だと思うんだけど、キャラクターのコミカルなリアクションや、レイアウト、カメラワークのセンスが光るカットが盛りだくさん。
前述の爆発や、火炎エフェクトも多め。